システムでなくサービスをつくるために、エンジニア経験をディレクションに活かす

on 2021.11.26

E3コミュニティのエンジニアの皆さんへのインタビュー。今回はフリーのエンジニア・ディレクターとして働くK.Yさんに最近のお仕事や作業環境、リモートワークについてお話を伺いました。ディレクターとして働く上で、以前ある人にもらった一言が心に残っているといいます。趣味のドラムやレザークラフトなどからも丁寧なお人柄が見えてきます。

ライター:平田提(株式会社TOGL)

エンジニアからフリーのディレクターに

――現在はどんな仕事をされているんですか?

ポイント事業を展開する企業で、システム開発における要求定義・要件定義、ビジネス企画メンバーのサポートを担当しています。

――フリーになる前はどんなお仕事を?

正社員として2社を経験しました。システムのテストから始まり、SEやPMやディレクターを担当させていただきました。フリーになったのは5~6年前ですね。

――フリーになったきっかけは?

SESがメインの会社であったため、会社の意向としても現場の人員拡大やマネジメントを求められました。ただ、当時はディレクター業務にとても興味があり、自身で業務を選択していけるフリーランスに魅力を感じて転向しました。

――職場やお仕事を決めるときにプライオリティが高いのは何ですか?

報酬などの条件がクリアされていれば、やはり一緒に働く「人」でしょうか。今の現場は社員の方がプロパーやその他の人を区別しないフラットな職場なのでとてもやりやすいですね。他には、自分の経験やスキルで少しでもお役に立つことができそうだと判断できた場合です。

「あなたはサービスじゃなくシステムを作っている」


――ディレクターのお仕事をされるようになったのはどんなきっかけだったんですか。

SE担当の終盤、細かな仕様詰めなどディレクター的な仕事をする機会が増えてきました。その頃は要件定義された仕様に沿ってシステムを開発すること以上に、要件自体を議論したり検討する作業が面白くなっていました。運良くディレクターをやってみないか?というお話をいただき、思い切って飛び込んだことがきっかけです。

――コードを書く人の気持ちも分かる、というのはあるんじゃないでしょうか。

そうですね、大体こんな作りになっているのかな?とイメージしながらエンジニアの方とお話することも多いです。ディレクター担当当初は、どちらかというとシステムへの意識が大半を占めていたと思います。当時、ご一緒していたディレクターの方から、「あなたとはサービスじゃなくて、システムを作っているみたい」と。なかなか厳しく今も忘れられない一言をいただきました。そこからSEとディレクターでは頭の切り替えが必要だなと強く思ったんです。

――なるほど。頭の切り替えはどうやってされていったんですか?

デザイン思考や「企画とは何か」といった本をたくさん読むようにしました。特にビジネスアナリシス、BABOK(Business Analysis Body Of Knowledge)は役立ちました。ビジネスの要求を洗い出して分析し、具体的なスコープへ落としていくお作法です。PJ管理のPMBOKのように体系化されています。

――そうだったんですね。ディレクターはビジネスサイドとエンジニアの「翻訳」だったり、要件を整理するのも仕事の一つですよね。

そうですね。ビジネスサイドからもエンジニアからもとにかく要求がたくさん出ることがあります。特に力量のあるエンジニアであるがゆえに発言が通りやすくなるタイプの方もいらっしゃるので、声の大小ではなく、要件を実現したときのメリットを言語化して同じテーブルに並べ、フラットにスコープを定められるように心がけています。

――そういった交通整理で工夫していることはありますか? 

波風立てるのが苦手なんですよね、性格的に。なのでもし意見が対立しそうになったら、当事者同士をなるべく同じテーブルに集めるようにしています。お互いの言い分を全部語っていただいた上で、納得できる落としどころにもっていけるように心がけています。

ドラムにレザークラフト。趣味の時間が増えたリモートワーク



――作業環境について教えてください。

WindowsのデスクトップPCを使用しています。メモリやCPUがそこそこあるゲーミングPCを使っています。娘の部屋になる部屋で仕事していますので、壁紙がファンシーです(笑)。

――「これはないと困る」ソフトやツールはありますか?

フリーソフトなんですが「 クイックスマイリー 」というソフトを新入社員時代に先輩から教えてもらって以来ずっと使っています。ランチャーや入力支援ソフトなんですがとても作業がスムーズになります。

――現在はリモートワークですか?

はい、今年の出社はまだ2回程度です。

――リモートワークになって大変なことはありますか?

雑談の時間がなくなったことですね。雑談がないと日々のモヤモヤも蓄積され、妄想や不安にかられることが増えた気がします。SlackやTeamsでは意識的にどうでも良さそうなことも意識的に話しかけてみたりしています。

――逆にリモートになってよかったことは。

とにかく通勤時間が減って家で過ごす時間が増えたことですね。趣味をする余裕も出てきました。

――お、趣味は何なんですか?

ドラムを学生の頃からやっています。子供ができてあまりやる機会は減りましたけど、電子ドラムを買って練習したり 「叩いてみた動画」を上げてみたり しています。

 
――いいですね! ストレス解消にもなりそうです。

あとはレザークラフトをはじめました。革小物って買うと高いじゃないですか。じゃあ自分で作ったらどうだろうとまずはキットを買い、次にメルカリで革のハギレを買って作り出すと、ハマって。小銭入れやメモ帳カバーもオンライン販売したら、ちょくちょく買ってくれる方が出てきて楽しいです。

――手先が器用ですね……。すごいクオリティです。

企画と業務フローの改善にかかわりたい

――最後に今後やりたいこと、キャリアの展望などを教えてください。

システム開発におけるディレクション手法はだいたい自分なりにハラオチしてきたところはありますが、企画業務にもうちょっと踏み出してみたいと考えています。一方、業務コンサルといいますか、業務設計にも興味があります。
業務設計はシステムが絡む場合とそうじゃない場合両方あると思うんですが、エンジニアやディレクターの知見を活かして業務改善に貢献できないか?と考えたことが理由です。

――ビジネスアナリシスやシステム開発ディレクションにはエンジニア経験やお人柄がよく活かされていますね。業務設計に興味がいくのもその流れだと思いました。今日はありがとうございました!

・今の就業形態:フリーランス
・現在の仕事:ポイント事業の企業でシステム開発のディレクション / ビジネス企画支援
・得意分野:要求定義 /要件定義 / 資料作成
・使用言語・スキル:Java/PHP
・仕事で大事にすること:お役に立てているかの自問自答
・今後やってみたいこと:ビジネス企画/業務設計

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