エンジニアのマネジメントに大切なこととは?元インフラ担当のスクラムマスター

on 2022.11.25

E3メンバーへのインタビュー。今回はマネジメント分野でご活躍中のI.Kさんにお話伺いました。エンジニアを志したエピソードやマネジメントに進んだきっかけ、エンジニアをマネジメントする際に大切な心構えなどお話頂いてます!

ライター:荒井啓仁

近年はマネジメント分野を中心に活躍中!

ーー現在のお仕事について教えて下さい。

スクラムマスター兼エンジニアリングマネージャーとして、エンジニアのマネジメントをしつつ、プロダクトオーナーと開発チームの間を取り持っています。

ーー開発側よりもマネジメント寄りのお仕事が多いのでしょうか?

そうですね。ここ6年位はCTOなど、現場ではなくマネージャーとして仕事することが多いです。がっつりコードを書いたのは6年前にレガシーな自社サービスをリプレースしたのが最後だと思います。

ーーマネジメント方面に転向したきっかけは何でしょうか?

転職先でリーダーを任されることが多く、自分の強みでは? と気づいたのがきっかけです。今後エンジニアが増えたときにマネジメントが重要になると思い、ある時期からマネジメント方面を目指すようになりました。

ーーなるほど。

昔は「マネジメントはエンジニアの墓場」と言われることも多く、自分もそう思っていました(笑)。しかし、やっていくうちに自分の特性を活かせる役割だと思うようになりました。

ーー自然とマネジメント寄りの仕事が増えていった結果というか。

そうですね。若い頃はエンジニアとして技術を極めたい気持ちもありましたが、5年目くらいからリーダー的な仕事が徐々に増えてきました。それと同時に優秀なエンジニアたちと仕事をするうちに、「本当に優秀な人達はレベルが違う」と感じ、技術だけを極めるよりはマネジメントの仕事もしていったほうが、自分の強みを活かしたキャリアアップができると思いました。

電力会社志望からエンジニアに。エンジニアとしての軸を大切にしたい


ーー学生時代からエンジニアを志していたのでしょうか?

当時はまだIT業界がメジャーではなく、強電系の研究をしている研究室に入りました。

ーーIT業界に興味を持ったきっかけは何ですか?

教授が、研究室内にネットワークを構築してWebサーバーやメールサーバーを立てたり、自作パソコンを組み立てたり、研究室の先輩にネットワークが好きな人がいたのがきっかけです。最初はネットワーク構築に興味をもち、その後シミュレーション結果をC++でグラフ表示するアプリを作り、プログラミングに興味が湧きました。
ーーどういう部分に楽しさを感じたのでしょうか?

試行錯誤して考え、自ら手を動かして作ったものが目に見える形でアウトプットできる点と、そのアウトプットが他人に喜んでもらえる点ですね。

ーーそれでIT業界への就職を決めたと。

そうですね。入学当初は、電力会社に就職するつもりで学部・学科や研究室を選んだのですが……。これから業界的に盛り上がりそうで、華やかなイメージがIT業界にあったのが大きいです。同じ研究室の先輩や友人は電力会社に行く人がほとんどで、教授の紹介で周りが就職する中、自分はインターネットで就職先を探しました。

ーー現場に戻りたい気持ちはありますか?

正直に言うとあります(笑)。ただ、マネージャー視点で考えると、自分が現場でコードを書くよりできるメンバーに任せた方がチームとしての成果が大きいのはわかっているのですが、現場でコードを書かないとエンジニアではなくなってしまう気がするんです。最近コードを書く機会が減っているので、エンジニアとしての腕の鈍りを痛感します。理解はできるが、パッと手が動かないといいますか。

ーーご自身としては、エンジニアとしていたい気持ちが強いんですね。

π型人材ではないですが、異なる専門知識を複数持つことも大切だと思っていますが、エンジニアの軸だけは絶対にずらしたくないと思ってます。エンジニアの場合は特に顕著なんですが、マネージャー自身もある程度の技術力が無いと説得力がないので。エンジニアとして最低限の開発をやりつつ、マネジメントもするのが、理想ですね。もちろん、チームとしての役割を考えたときに最優先するのはもちろんマネジメントですけどね。

チームをサポートするのがマネジメントのやりがい。今後は事業成功の手助けが目標


ーーマネジメントのやりがいは?

自分が目立たずにメンバーやチームが結果を出せたときはやりがいを感じます。ビジョンを示し、やり方を任せ、結果を出せる下地ができれば。サーバントリーダーとしての役割がチームにとっては一番良いと思っています。

ーーチームに尽くすリーダーというか、縁の下の力持ちというか。

一昔前だと引っ張っていくリーダーが求められていましたが、当時からサーバントリーダー的なマネジメントスタイルが自分にあっていると思っていました。今は最初引っ張って、後はチームを支えるサーバントリーダーが求められることが多いので、自分のスタイルが世間と一致してきたと思います。

ーーチーム運用で意識していることはありますか?

理想像を描きつつ、メンバーに押し付けないよう、対話しながら考えを共有することを意識しています。最初の理想像はあくまでも対話するための基準だと思ってまして。ただ、マネージャーが最初に理想像を掲げないとチームを導くことはできない。やりながらチーム全員で常に改善を意識することで、チーム全員が当事者になれると思っています。

ーー今後目指したいポジションやエンジニア像はありますか?

唯一やり残したことがありまして……。いろいろな会社で働きましたが、自分が直接事業にコミットして成功させた経験がまだ無いんです。CTOやそれに近いポジションとしてスタートアップなどに入って、自分自身が関わったことで結果を残せたらと思っています。

ーーなるほど。

50歳になるまでの残り5年間が最後のチャンスかなと思っています。今までの経験を会社や事業に投資し、誰が見ても分かるような結果を残したいです。

ーー50歳以降は別の活動を考えているのでしょうか??

50歳以降は、ベンチャー企業にノウハウを還元したいと思っています。今の会社か次の会社か独立するかはわかりませんが、若い人たちにノウハウを還元したいです。日本のベンチャー企業が盛り上がるよう微力ながら貢献するのがこれからのオジサンの役目なのかなと(笑)。壁打ちしつつ落ち込んでる若い人がいれば、自分の経験を踏まえてアドバイスできればと思います。

・今の就業形態:正社員
・現在の仕事:スクラムマスター兼エンジニアリングマネージャー
・得意分野:マネジメント、スクラム
・使用言語・スキル:Ruby、Java、Typescript、スクラムマスター
・仕事で大事にすること: コミットメント
・今後やってみたいこと: ゼロからのエンジニア組織づくり

企業登録すると、このエンジニアと会話できるようになります!