今回のインタビューは株式会社ライトハウス所属のI.Hさんにお話伺いました。漁業サポートツールの「ISANA」の開発運用の広い範囲を担っているというIさん。新卒では総務省の事務官として働いていたこともあるそうです。
ライター:荒井啓仁
漁業サポートツール「ISANA」の開発運用を担当
ーー現在のお仕事についてお伺いさせてください。
株式会社ライトハウスで、漁業向けの船舶プラットフォームの開発と運用に携わっています。
ーー漁業向けプラットフォームとはどういったサービスなのでしょうか?
ソナーや魚探、船上の画像を漁船同士で共有する
ISANA
というサービスです。IoTデバイスが漁師さんの船に設置してあり、クラウドにソナーや魚探などの画像と位置情報を送ることで、アプリを介して船団内で情報が共有され漁の効率化を図っています。
ーー面白いサービスですね! どういった部分に携わっているか詳しく教えて下さい。
船上のIoTデバイス、サーバーサイド、インフラ構築、社内管理ツールの開発をやっています。漁師さんに手に取って使ってもらっているアプリがあるのですが、ネイティブアプリ開発経験が大してないのでそこの開発は他の人に任せています。
ーーどういった経緯で参加されたのでしょうか?
知り合いから「エンジニアを探している会社がある」と紹介してもらいました。軽い気持ちで挨拶しにいったのですが、楽しそうだったので最初は副業として1〜2年働き、後に正社員としてジョインしました。
ーーライトハウスさんに惹かれた理由は何でしょうか?
「ISANA」というサービスの面白さが第一ですね。IoTデバイスからサーバーに情報を送って、というサービスはよく目にしますが、漁師さん向けに特化しているのはこのサービスだけだと思います。副業で入っているときから幅広い分野の技術に触れることができたのも大きな理由です。
ーーサービスだけではなく働き方の面でも魅力があったと。
そうですね。以前の仕事は所属しているチームが扱っている言語とかフレームワークだけの開発しかできなかったのですが、偏った技術しか経験を績めないというのは、エンジニアのキャリアとしてもリスキーだという思いもありました。ライトハウスではいろいろな技術を使わせてもらえるし、インフラ構築や設計など裁量の幅が大きいのも魅力的でした。
ーーライトハウスに入ったおかげでスキルアップにも繋がったというか。
もちろん前の職場でも成長はできましたが、成長速度と深度がかなり違ったと思います。事業ドメインの面白さに加え、フルスタックで幅広い技術分野を取り扱っている会社にジョインできて良かったと思います。
公務員から、自分でサービスを作りたくてIT業界へ転職
ーー学生時代からIT業界を志していたのでしょうか?
商学部所属で、在学当初はIT業界には全く興味が無かったですね。iPhoneが世に出てきて手軽にアプリが作れると聞いてアプリ制作を始めたのがITに興味をもったきっかけです。
ーー就職もIT業界では無かったのでしょうか?
そうですね。新卒では総務省に入省しました。格安SIM事業者が新規参入できるような規制緩和のルール作りなどに携わりました。
ーー総務省からエンジニアに転職しようと思ったきっかけは何かありますか?
法令を作ることや、そのためのデータを集めたり、事実整理をしたりと、楽しかった部分もあるのですが、ルールを作る側ではなく、自分でサービスを作るプレイヤーになりたい思いが次第に強くなっていき、エンジニアへの転職を決めました。
ーーなるほど。ご自身にエンジニアという職業は向いていると思いますか?
実を言うと、転職時点で性格的に向いてそうだという思いはありました(笑)。1つのことを根詰めて深く掘り下げる作業が好きなので、腰を据えてあれこれ考えるのも好きなので向いていると思います。
他社では味わえないやりがいがある。今後はDevOpsに特化できれば
ーー改めてライトハウスでの仕事のやりがいを教えて下さい。
「ISANA」のIoTデバイスが設置されているのは、空調が効いているような環境の安定したデータセンター、、、とかではなく、どこの海の上にいるかも分からない漁船の上です。そういうエクストリームな環境でも如何に安定したサービスをどう提供するのか工夫するのが面白いポイントです。
ーーエクストリームな環境ならではのトラブルは何でしょうか?
船の振動で配線がずれたり、温度が高過ぎてシステム負荷が上がったり、携帯電話の電波圏外だったり、GPSが取得できなかったり、といろいろなことが起こりえます(笑)。漁船の上ではエンジンからIoTデバイスに電源供給を行うのですが、操業の関係でエンジンの回転数が落ちると電源の供給が足りずに止まってしまうこともあります。
ーー安定したサービス提供に対して、どういった工夫をされているのでしょうか?
IoTデバイスがどういう状況に置かれているのかモニタリングできる仕組みを作りました。Webサーバーであれば、そのサーバーで起きている問題を特定すれば良いのですが、 海の上で動いているデバイスAとデバイスBで問題が発生した場合、AとBが同一の原因で不具合が発生しているかどうかも分からないですし、まず、ハードウェアの問題なのかソフトウェアの問題なのかの切り分けを最初にする必要があります。個別のデバイスの状況を離れた場所から把握できるようにする必要がありました。
ーーエンジニアとしての今後の目標もお聞かせください。
新規機能の開発も楽しいのですが、DevOpsエンジニアとしてのキャリアを築いていけたらと思っています。技術的負債の返済、CD/CIの構築、デバッグしやすいログの作成、bizチームのオペレーションのコストが減るよう開発とか、そんな感じです。今後もDevOps系エンジニアとしてプロフェッショナルとして働いていきたいです。
・今の就業形態:
・正社員
・現在の仕事:
・漁業者向けの船舶プラットフォームの開発(DevOpsエンジニア)
・得意分野:
・CI/CD構築
・負債返却
・SQL
・テスト、リファクタ
・データ分析基盤の構築・運用
・使用言語:
・python
・golang
・ruby
・javascript
・typescript
・仕事で大事にすること:
・負債は作らない。
・直感は疑う、違和感は信じる。
・今後やってみたいこと:
・rustを使った開発