コロナに打ち勝とうとする中小企業を支援したい。Day1代表鈴木宏和さん

on 2022.05.18
コロナに打ち勝とうとする中小企業を支援したい。Day1代表鈴木宏和さん

E3コミュニティーのエンジニアの皆さんへのインタビュー。今回は中小~大企業まで、さまざまな企業のDX化やIoT支援を行うDay1代表の鈴木宏和さんにお話を伺いました。IT開発や生産ライン管理、PMなど、多くの分野で活躍されてきた鈴木宏和さん。ご自身の経歴や、今後取り組みたいことについてもお話いただいています。

ライター:荒井啓仁  編集:株式会社TOGL

独立以前はローランドやミスミに在籍

ーー現在のお仕事について教えてください。

2022年1月にITコンサルタントとして独立し、Day1を設立しました。現在は大手卸売企業の物流拠点の立ち上げプロジェクト支援や、食品装置メーカーのIoT開発、スマートファクトリー構築プロジェクトを監修させていただいています。

ーー独立以前はどういったお仕事をされていたのでしょうか?

生産ラインの現場管理やエンジニアリング、PMと、ものづくり全般に広く関わってきました。

ーー幅広いですね! 新卒からものづくり関連のお仕事をされていたのでしょうか?

小さい頃からものづくりを仕事にしたい気持ちがありまして、高専ではロボットを作る学科にいました。在学時にローランド ディー.ジー.で作っているデジタル屋台(※)の仕組みに感銘を受けまして、製作者の方への憧れもあり同社へ入社しました。
※作業工程を映すディスプレイや、作業に使う工具などが一体化した作業台。工具にワイヤレスモニタリング技術が搭載されており、どのネジをどの箇所にいつ取り付けたかまで管理可能。

ーーローランドではどういったお仕事をされていたのでしょうか?

立体印刷のインクジェットプリンタや、歯科用の5軸加工機の新規開発に携わりました。同時期に、3Dプリンタなどの自走式検査プログラムの開発や、生産ラインの管理責任者、海外拠点とのライン移管プロジェクトなども担当しました。

ーー何年ほど在籍されていたのでしょうか?

7年ほどですね。上流工程でいろいろなものを作りたいのと、デジタル屋台の製作者の方がローランドから転職していたのもあり、ミスミグループ本社に転職しました。

ーーミスミではどういったお仕事をされたのでしょうか?

グローバル基幹システムや生産システムの開発、新規DX事業のIT開発リーダーなど経験しました。

## デジタル屋台の先輩に憧れ独立

ーーものづくりのお仕事へ興味をもったきっかけは何でしょうか?

小学生の頃からPCを触っていたり、はんだ付けなどの工作が好きだったのが大きいと思います。中学生に上がる頃にはものづくりを仕事にしようと決めていましたね。

ーーかなり早くから目標が決まっていたのですね。独立を志したきっかけは何かありますか?

先程のデジタル屋台を作られた先輩の影響が大きいですね。ご縁があってその方に師事したこともあるんです。ローランド在籍時代に社会人大学院に通っていたのですが、所属教授に「デジタル屋台に惹かれてローランドに入社した。」と伝えた所、その方が教授の親しい友人と判明しまして(笑)。ありがたいことに、その方を教員に呼んで授業を受けることができました。その方がフリーで独立していると聞き、40、50歳には独立したいなと思っていたのですが、新型コロナウイルス感染症の影響や、取り引きのあるお客様からのお声もあり36歳で独立しました。

リモートワーク普及でITコンサルタントとしての道が拓けた


ーーリモートワーク状況についてお伺いさせてください。

コロナ以降はリモートで働ける所を選んで働いています。現在は月1、2回ほど現場に顔を出しますが、基本的にはリモートです。
リモート前提になったことで、国外クラウドのエンハンス対応が進めやすくなったり、東京に居ながら国外の現場で問題が起きても遠隔で対応できたりと、以前から技術的には可能でしたが、当たり前という風潮になったのはメリットですね。

ーーコンサルタント方面ではメリットは感じますか?

リモートによって活躍できる市場が広がりました。本当に困っていて助けを求めている会社は中小企業がほとんどなのに、コンサルファームに入ると超大手企業としか仕事ができないんです。リモートワークの普及により、遠隔で商談する前提ができたおかげで、コンサルタント側としても中小企業へのアプローチがしやすくなりました。中小企業としてもチャンスが広がったのは大きなメリットだと思います。

ーーリモートワークになったことで、お仕事とご家庭の環境に変化はありましたか?

小学校や幼稚園までの送り迎えができたり、家事分担も進められたりと、こちらもメリットしかないと思います。。商社で働いていた頃は、年の半分は出張で家を空けており、家庭に妻と子どもを残す不安も解消されたのもありがたいです。

――お仕事をする上で無くては困るソフトやツールはありますか?

Visual Studio CodeとAWSは無いと困ります。AWSは自分で契約して使っているくらいなので。
ツールだとRaspberry Pi(https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=raspberrypi)は欠かせないです。Linuxの乗ったハードウェアの基盤で、IoT開発やスマートファクトリー構築のプロトタイプとして利用しています。中小企業さんにはサンプルプログラムとマニュアルをお渡しし、使い方を教える際に役立っています。

大手や中小とバランス良く仕事を。ものづくりエンジニアが集まるコミュニティも?


ーー中小企業のサポートに関わろうとしたきっかけはありますか?

ローランドやミスミに在籍していた当時も、技術的に困っている下請けさんや部品メーカーを部分的に助けることはありましたが、フルコミットで助けられないことに歯がゆさを感じていました。何か環境的にできないかと考えた結果です。

ーー新型コロナウイルス感染症の影響もあったのでしょうか?

コロナ以前には、会社の上からではない現場の横からのアプローチは難しかったと思います。現在のリモートワークの普及や、中小企業のDX化の推進はコロナのせいで仕方なく仕事のやり方を変えたのではなく、コロナに打ち勝とうとした経営者の方たちの努力の結果だと思っています。そこに応えられるような仕事をしていきたいです。

ーー素晴らしいですね。Day1さんとして今後やっていきたいことをお伺いさせてください。

立ち上げて3カ月なので、まだまだ夢物語ではあるのですが、複数の会社の困りごとに直接対面しながら、普遍的に困っていることを解決できるアプリを提供できたらと思っています。大手・中小・個人と求められる仕事や、こちらが出来ることも変わるので、バランスを取って仕事を進めたいです。

ーーお仕事以外ではいかがでしょうか?

大津さんがITエンジニアを巻き込むコミュニティを作っているように、製造・現場寄りのITエンジニアが集まるコミュニティを作れたらと思います。


・今の就業形態:フリーランス
・現在の仕事:ITコンサルタント
・得意分野:製造業・物流業など現場業務を伴う業態へのIT導入
・使用言語:C#, Pyhthon
・仕事で大事にすること:顧客の現場の困りごとを"自分事"と捉え、課題解決と利益率向上に取り組むこと
・今後やってみたいこと:自分と同じじような製造業に関わるITエンジニアとの交流・協業

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