E3コミュニティのエンジニアの皆さんへのインタビュー。今回はフリーのエンジニア・ディレクターとして働く秋田潤さんです。炎上案件を解決してきたお話や、個人で開発されているアプリ「うさぎ広場」についてのお話も伺いました。
ライター:平田提(株式会社TOGL)
eKYCの企業でディレクター、フリーではうさぎのアプリを開発
――今はどういったお仕事をされているんでしょうか。
本人確認のサービスeKYC(electric Know Your Customer)を提供する会社でディレクターをしています。E3に紹介してもらい、フリーランスとして関わっています。
運用と開発を分ける、いわゆる「運開分離」があるので現在はコードを書くことはないですが、プライベートや他のフリーの仕事では書いています。
――フリーランスとしてはどんな活動をされているんですか?
「うさぎ広場」という自分のアプリ、サービスを作っています。開発して6年くらい経ちます。
http://nextsphere.jp/RabbitApp/
――「うさぎ広場」はどういうきっかけで始められたんですか?
うさぎを自分で飼い始めたとき、飼育記録をつけるアプリがなくて不便だったんです。メモアプリや犬・猫などはありますが、うさぎにフォーカスをあてたものがなかった。そこで2015年ころにつくったのが「うさぎ広場」です。
最初はAndroid版を開発していて、現在はFlutterで作り直してiOSにも対応しました。
炎上案件を地道に解決して信頼を得る
――今までのお仕事歴を教えてください。
2015年まではSIerに所属して働いていて、プロジェクトに入るとリーダーにアサインされるケースが増えてきてフリーになりました。
――ディレクターのお仕事はご自身に合ってると感じますか?
そうですね。今までを振り返って考えると、最新のアーキテクチャを追うことよりも、とにかくプロダクトやサービスを世の中に出すお手伝いをしたい気持ちが強かったです。
火事場案件を何とかしていくのも多かったですね。
――炎上案件の対応は大変そうですね……。
同時多発的にさばかなくちゃいけないことがたくさんありますからね。その中でタスクの優先度づけをして、コツコツ地道にやってくしかないかなと思っていました。ときには捨てる判断も大事で。
一番ひどかった案件は、同じSIerのメンバー全員がなぜだかやる気がなくて、現場の課長レベルの人も同じで……1年間かかるプロジェクトのうち10カ月目で確認すると全然できていない!なんてことがありました。
――なんと……!
期間がないのにタスクを詰め込んじゃっていることが多いんですよね。ただできそうになかったプロジェクトを終える手伝いをして感謝をされるとやりがいを感じていました。
子供との時間が増えたリモートワーク、一方作業時間は減る
――現在はリモートワークですか?
はい。リモートワークになって、3歳の子供と顔を合わせる機会が増えたのが良かったです。1、2歳の頃は会社に通っていたので、帰宅後はどこか「知らないおじさん」扱いといいますか……休日は父親と認識していたようなんですけどね。今はそれがなくなったので、リモートワークは人生においてとても良い作用をしたなと思っています。
――それはとても良かったですね。逆にリモートワークになって不便なことはありますか?
逆に通勤の時間がなくなったことで、作業時間がなくなったことです。「うさぎ広場」は電車の中で立ったり座ったりしながら開発していたんですが、それができなくなった。今は子供が寝た後や、深夜に起きて作業しています。
アプリのデータを活用してより良い生活に貢献したい
――プライベートも含めて、今後の希望や展望を教えてください。
仕事では経験則もたまってきてるので、より良くしていくことは常に考えています。世の中に役に立ち続けたいので、そういう意味で今の現場は満足しています。
個人的には「うさぎ広場」のサービスをさらに育てていきたいですね。売上を立てていきたい。
アプリにデータが溜まってきたら、いろいろやりたいことがあります。うさぎの飼育に関しては、まことしやかにいわれていることが間違っている可能性もあります。
「こういう食生活だとうさぎが長生きする」など機械学習を回して、データを飼育に活かせるようにして、ユーザの方の良い生活に貢献していきたいなと思います。
・今の就業形態:フリーランス
・現在の仕事:eKYC事業を展開する企業でディレクションを担当
・得意分野:スマートフォンアプリ開発におけるディレクション、ネイティブアプリ開発
・使用言語・スキル:Flutter/Dart, Android/Java, iOS/Swift
・仕事で大事にすること:①日程 ②機能 ③品質 ※どこにより力を置くかは、プロジェクト状況次第
・今後やってみたいこと:メタバースの文脈で GoogleGlassのような機能的なスマートメガネが世の中に出た場合は、スマートメガネで人の能力を拡張するようなプロダクトを作りたい(ex:
http://nextsphere.jp/exnote/
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