コロナ禍で1年間休養。今まで見向きもしなかった映像制作に挑戦したITコンサルタント

on 2022.05.27

E3コミュニティーのエンジニアの皆さんへのインタビュー。今回はITコンサルタントとしてご活躍のI.Tさんにお話を伺いました。ご自身のルーツにまつわるお話や、技術支援を行う上での苦労話などお話しいただきました。コロナ禍では1年ほどお仕事を休み、さまざまな研究を行ったそうですよ。

ライター:荒井啓仁  編集:株式会社TOGL

炎上現場をPMOとして解決した経験から、現在はITコンサルタントとして技術支援

ーー現在のお仕事について教えてください。

ITコンサルタントとして、工業製品メーカーの施策立案の支援をさせていただいています。基本はフロント業務ですが、これからIT活用を進めたいという段階なので、今後の業務に活用できるのか、最適化できるのかなどの検討も含めて支援しています。

ーーITコンサルタント業務はいつからやられているのでしょうか?

もともとSEからプログラマーも経験しPMOもやっていたのですが、その延長というか。5、6年前から監修や支援を含めたITコンサルタントの案件でお声がけいただくことが増えました。

ーーITコンサルタントなどの技術支援職は、ご自身に合っていると感じますか?

開発なども経験した中で、技術支援が一番自分に合っていると感じます。人によっては大変かもしれませんが、案件ごとに必要とされる知識を、なるべく早く集めて調べる過程も謎解き感覚で楽しめています。

ーーITコンサルタントとしてお仕事を始められたきっかけは何でしょうか?

開発時代に参加していたあるプロジェクトが、大きな案件なのに準備を整えないまま始まってしまったことがありまして。割けるリソースもはっきりしていないし、メンバー間の技術の格差もある上に連絡体制もボロボロというひどい状態だったんです。そこを自分がPMOとして正したのが一番最初ですね。その実績もあり、ITコンサルタントを始めとした技術支援のお仕事が来るようになりました。

コロナ禍で見向きもしなかった分野=映像制作に挑戦


ーーIT業界に進もうとしたきっかけはありますか?

5歳くらいからPCを触ったり、家に技術書や雑誌が多くあったりしたのが大きいと思います。

ーーかなり早い段階からPCに触れていたんですね!

実家が家電屋でファシリティ工事も請け負っており、設計図などを作るのにPCを持っていました。技術書や雑誌が家にあり、当時からSEの品質についての話題があるという記事を見ていたので、「自分が能力のあるSEになってやろう」という気持ちでプログラミングの勉強をしていました。

ーーなるほど。コロナ禍ではお仕事や私生活などに影響はありましたか?

発生直後の危険性と対策が明確ではなかったことから、感染リスクには特に注意を払いました。知見を深めるために1年間休養をとり、最新技術の勉強や、今まで見向きもしなかった分野の勉強をしていました。

ーー見向きもしなかった分野とは?

映像制作です。非常に手間がかかりましたが、人形のコマ撮りなどに挑戦しました。

ーーすごいですね! なぜ映像制作を?

子供のころから、コンピューターや機械で人間を再現するというのに興味があるんです。どう動かしたら人間のように見えるか、アニメーションで検証していました。

ーー現在も映像制作は行っていますか?

今は本業に力を入れているので、そこまでやっていないです。人形で動かしていたことを3Dモデルに写してみる程度ですね。最近ではVtuberの方が使っているアニメーションのツールの使い方を勉強しています。

ーーもしかしてVtuberデビューされるのでしょうか?

2Dで編集しているのに3Dっぽい動きをしている仕組みが気になっているだけなので、そういうことは全く考えていないです(笑)。

ーー人間を再現してみようと思ったきっかけは何かありますか?

哲学的な話になりますが、子供の頃に「理想的な人間」とは何だろうと考えたのがきっかけです。AIとか仮想上に全く違う知性体を作ったとき、それを人と呼ぶのか分かりませんが、彼らはどういう考えに至るのか興味があります。

ーーAIやロボットの研究もご自身で進めているのでしょうか?

AIは少し勉強して動かしてみたのですが、そこまで本気で取り組めていないです。ロボットは定義にもよりますが、ASIMOのようなものは自分の考えとは少し違います。関節の動かし方でもASIMOなどはサーボモーターで直接動かしますが、人体の構造って筋肉が動きに付随して関節が動きますよね。人間に近いものを機械で作るときにロボットが前面に出てくるものではなく、人間とロボットの中間のようなものが理想だと思っています。

目の前の仕事に全力で取り組みたい。クライアントのために知見を活かせたら

ーープログラマーになった当初からITコンサルタントの道へ進むと決めていたのでしょうか?

当時はITコンサルタントという言葉がなく、SEが業務の一環としてお客様とのコミュニケーションを取っていました。自分で設計や開発、環境構築を行い、お客様の要望も聞く。今思えば、当時の経験が今に活きていると感じます。
最近は開発経験がないのにITコンサルタントとして働いている方もいるので、そういう方の下に付くとなかなか大変で……。アーキテクチャーやロジックの理解がないため、コンセプトがマッチしていないパッケージ製品を採用したり、動かせないようなシステム構想を練って、プロジェクトが始まって開発が進むうちにボロが出てくる。舵を取る人間の質の低下は問題だと思っています。

ーーそういった案件に参加してしまった場合の仕事の進め方などはどうしていますか?

ITコンサルタントへの技術支援として2回ほど現場に入ったことがあるのですが、ある程度進んでしまった案件では、軌道修正がなかなか難しく、現状やり方を模索中です。最初は、すぐにでも修正が必要な案件だったため、ダイレクトにおかしい点を伝えるようにしましたが、感情や政治にとらわれているとやはり聞き入れ難いようです。その後は、進めながら意見を控えめに伝えつつ誘導するなど試行錯誤しています。

ーー大変ですね……。

現在入っている案件は自分がITコンサルタントとして舵取りしているので、計画通りの流れで進められているのでやりやすいです(笑)。

ーー今後の展望などお聞かせください。

現場に入ったばかりなので、今は目の前の仕事を精一杯やりたいです。地に足のついたITコンサルタントとして、お客さんのために開発や設計で培った知見を活かせたらと思います。


・今の就業形態:法人代表、業務委託
・現在の仕事:クライアント事業者様のIT施策立案
・得意分野:データ構造の解析とか
・使用言語:C#、Javascript、Python、VBA(マクロ的な記述をしない)
・仕事で大事にすること:メタ視点の維持、ライフハック
・今後やってみたいこと:ITに限らず、組織に馴染めなかった人達を集めて、何か面白いことができないか模索したい

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