仕事が続くのは、よく話すから?iOSエンジニア(E3メンバーインタビュー)

on 2021.05.28

E3コミュニティメンバーの皆さんはどんな思いでいま仕事をしているのか。今までの経歴や成功・失敗体験も含めてお話を伺っていきます。今回はiOSのアプリ開発を手がけられる「合同会社シンプローブ」のN・Tさんにお話を伺いました。iOSアプリの開発を始めたきっかけや最近興味があること、これからのお話などをインタビューしました。

ライター:荒井啓仁 取材・編集:平田提

システム会社、ゲーム会社を経てアプリ開発者に,

――Nさんはどんなお仕事をされているんですか?

Nさん:2014年の2月に起業しまして、ずっとiOSアプリケーションの開発一本でやっています。

――起業される前からiOSのエンジニアでいらっしゃったんですか?

Nさん:はい、そうです。

起業する前はフリーのiOSエンジニアでした。2014年に結婚することになったんですが、「いろいろ動きにくくなるから結婚前に起業しておいたほうがいい」と周りからアドバイスを受けまして(笑)。

起業して会社の経営を勉強していきたいとも思っていたので会社設立に至りました。まぁ後々妻に聞いたら「別にそんなの反対しないよ」と言われましたが……(笑)。

――なるほど(笑)。フリーになられる前は会社に所属されていたんですか?

Nさん:
大学中退後に地元・広島のゲーム系の専門学校に入りまして、専門学校のOBのコネで神奈川のゲーム開発会社に就職をしたんです。

ご存知かもしれませんが、ゲーム業界って相当ブラックなところもあって精神的に辛くなってしまい……そこからはシステム会社をいくつか転々としました。

最後に勤めたゲーム開発会社に正社員として入った時期が、ちょうどiPhone 3GSが日本に来たタイミングで。App Storeが一般に公開されて個人開発者でもアプリを出せるようになったわけです。その会社は、基本的に自社の名前を出さずに仕事を取る方式を取っていました。

アプリだったら自分たちの会社で作ったゲームとして出せる、ということでその会社でもオリジナルゲームアプリ開発が始まりました。先輩が作った社内用のライブラリをある程度弄れば作れるようになってから、私の方に担当が回ってきて。そこからですねiOSアプリの開発をやりはじめたのは。

ーーiOSアプリの開発はご自分に向いていると感じられますか?

Nさん:そうですね。フロント側を作るのは性分として好きです。作ったものがビジュアル的に出来上がって、動きがすぐにリアクションとして返ってくる。そういうものを作るのが自分の感覚としてすごく合ってるな、と思います。

ーーゲーム以外のiOSアプリとゲーム作りで共通する部分はありますか?

Nさん:専門学校でゲームの勉強しているとき、3Dグラフィックを動かすために三角関数や行列を改めて勉強し直したことがありました。アプリの画面中で何かを回転させるときなどは同様に行列の演算を使うんですね、そういう部分では当時やってたことがそのまま活きるというのはありましたね。

ーーそれは面白いですね。ちなみにE3のコミュニティに入られたきっかけは?

Nさん:大津さんにTwitterでスカウトされました。Twitterで働く現場を探してますという話をしたら大津さんがDMをくださって、そこから案件を紹介してもらったのが始まりですね。大津さんに釣り上げられました(笑)。準委任のiOSアプリ開発メンバーとしてどこかの会社さんのお手伝いをさせていただく働き方が多いです。

「よく喋る方で安心しました」と面接や現場でいわれることも

ーー今一番勉強したいプログラミング言語などはありますか?

Nさん:システムとしてはSwiftUIをもっと習得したいなあというのはあります。

今の現場でも多少は使ってもOKの方針にはなっているんですが、ガッツリ使うほどではないので。

Storyboardとかxibファイルとか、SwiftUIはそういうのを全部コードに置き換えてしまうやり方なんですね。まだまだ出てきたばかりなので、細かいところで融通が効かないですし、今後主流になるかは分からないですが。触ってて楽しいのでSwiftUIにもう少し強くなりたいです。あとはGo言語を触っているので、もうちょっと使えるようになりたいですね。

ーー今後の人生で何かやりたいことはありますか?

Nさん:とりあえず今の仕事を続けていければと思いますが、私が今40歳で、10年経って同じような働き方ができるのかっていう不安があります。

そのための下準備をそろそろ始めないといけないんじゃないかなと感じています。

ーー10年後不安なのは、健康面や技術面でいうとどういう面が大きいですか?

Nさん:今のアプリ開発の現場に50・60代の人がほとんどいなくて、イメージしにくいのが一番大きいですね。

10年前にすでに40代50代でiOSの開発をはじめて、それを仕事にしている人って本当に極わずかだと思うので。


ーー逆にいうとこれからの時代、50・60代の人がいてもおかしくないかもしれないんでしょうか。


Nさん:おかしくないとは思いますね、でもどちらかというとマネジメント寄りになっていく割合が多いと思いますが。

私は元々人に教えるのは好きなので、若手のiOSアプリエンジニアの教育関係にも興味があります。


ーーありがとうございます。最後に、クライアントと仕事を続けていく上で大事にされていることってありますか?


Nさん:なんでしょう。「よく喋る方で安心しました」と言われたことはありますね。面談に行った会社さんで。コミュニケーションが苦手なエンジニアさんが来られることが多いのか、そこはまずひとつ評価していただけている部分なのかなと。

あとは「こういうデザインで画面を作って欲しい」って話をいただいたときに「もっといい形はないのかな」と常に考えて提案するようにはしています。

「他のアプリで一般的に使われている手法はこういう表現方法ですよ」とか「この言葉のほうがユーザーには伝わりやすいと思うんです」とか。

結構受け入れていただいているので、そんなに的を外れたことは言ってないのかなと思います。

――当たり前かもしれませんが、お話がちゃんとできるというのが、組織に外から入って働く上では大事ですね。ありがとうございました!

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