E3メンバーの皆さんへのインタビュー企画。今回はスマートフォンのゲーム開発を行う会社で開発と運用に携わるU.Yさんにインタビューさせていただきました。過去のお仕事やゲーム業界を選んだお話、最近イチオシのゲームについてもお話を伺っています！
ライター：荒井啓仁
サーバー班のリードプログラマーとして活躍
ーー現在のお仕事について教えて下さい。
スマートフォンゲーム開発がメインの会社で、サーバーエンジニアとして働いています。新卒で入って10年くらいです。
ーー言語は何をお使いでしょうか？
プロジェクトによって変わりますが、言語はC#、Java、PHPを使っています。今はC＋＋とC＃がメインです。
ーー開発もされているのでしょうか？
開発と運用の両方に携わっています。
ーー開発や運用で、ゲーム業界ならではと感じることはありますか？
他業種のエンジニアさんと話していて、ゲーム業界は規模感が大きいのかなと思います。
ーーなるほど。
ゲーム開発だと、ゲームプランナーやレベルデザインなど、独特な職業の方が多くいます。オンラインゲームだと、ゲーム内イベントの企画やデータの分析、KPIを考えるなどエンジニア以外にも多くの人が関わります。スマートフォン用の小さいゲームでも50人くらいの規模感でしょうか。ヒットしたゲームだと100人から数百人の大所帯になることもあります。
エンタメ関係の業界なので、プロジェクトを走らせる期間の差も大きいです。すぐに終わってしまうサービスもあれば、10年以上続くものもあります。
ーー数百人規模のプロジェクトはすごいですね。
最近だと、スマートフォンでもグラフィックとか、作りが凝っているゲームが多いので、グラフィック周りの人が多いイメージですね。ハリウッド映画とかで、エンドロールで人がバーって出てくるような。
ーー現在のお仕事のやりがいは何でしょうか？
現在はサーバー班所属で、リードプログラマーとしてマッチングシステムやギルドシステム、サーバーの裏側を作っています。
サーバーサイドは裏方ですが、ゲームの肝になるような、ゲームを下で支えていることにやりがいを感じます。
ーー携わったゲームの評判は気にされますか？
よく検索してチェックしますね（笑）。Twitterや匿名掲示板などで、ゲーム自体の評価や感想を見ています。たまに不具合についての投稿が見つかることもあるので、大型配信の際は注視していますね。
ーーなるほど、検索も大切なんですね。
そうですね。開発サイドでも配信前にチェックしています。オンラインゲームの特性上、大人数がプレイしないと見えてこない不具合もあるんです。基本的な機能チェックや負荷試験もやりますが、本番と全く同じ状況で負荷はかけれません。同時接続が数千〜数万アクセスある状況は実際に動かしてみないと分からない。配信してから不具合が見つかることもあるので、そのあたりは特に注視しています。
ゲーム業界を選んだ理由、スキルアップを実感したプロジェクトとは？
ーー学生時代からエンジニアを志していたのでしょうか？
理系の学科でしたが情報系ではなく、当初はメーカーの研究職でいいかなと思っていました。授業でプログラミングに触れ、面白いと感じたことでエンジニアを志しました。
ーープログラミングが面白いと感じた部分は？
ロジカルに考える部分と、上手く作れたときに面白さを感じました。もともと数学は好きだったので、上手く解が出たときと同じくらい嬉しく、自分に合っていると思いました。
ーーゲームは昔からお好きだったのでしょうか？
子どもの頃は『ファイナルファンタジー』が好きでシリーズの5〜10くらいまでは遊んでいました。オンラインゲームもGreeの携帯ゲームや、『ドリランド』など流行りのゲームも遊びましたね。
ーー憧れの業界に入ったというか。
そうなんですが、いざ働いてからは大変でした……。今は残業など厳しく管理されますが、入った当時は裁量労働でして。やりがいはありましたが労働時間はかなり長かったですね……。
昔のゲーム業界は土日や深夜まで作業する、根性でできる人しか残らない時代だったそうで、その名残が残っている時代だったと思います。
ーー現在の会社に入ったきっかけもお伺いさせてください。
ゲームがもともと好きなのと、技術的にゲーム業界が面白そうだと思ったのが理由です。ゲーム業界を中心に就職活動をしていたところ、今の会社に採用してもらいました。
ーーゲーム業界が面白そうと思った部分とは？
作っているものが複雑なところですね。グラフィック周りの技術だけではなく、サーバーサイドもプレイフィールを損なわないレスポンスの速さやパフォーマンスが求められる。エンジニアとして、そのあたりの技術を身に着けられてたら面白い仕事ができるんじゃないかと思いました。
ーースキルアップを実感したプロジェクトについてお聞かせください。
立ち上げからプロジェクトに参加した際は勉強になりました。サービスに入る前の段階の大変さ、スケジュールに追われている感覚を身につけられたのはいい経験だったと思います。
ーー大変だったプロジェクトについてもお伺いさせてください。
サーバーの負荷がテーブルの設計、サーバーの処理を見直さないとイベント運営が難しいという判断になったときは大変でした……。大体は緊急メンテを挟んで修正し、サービス再開まで1日で済む場合がほとんどですが、このときは2週間ほどかけて全部改修しました。売上にも響くし、自分の担当箇所で負荷が動かないという焦り、直している最中は大変でした。
ーーそういった経験が現在に活きているんですね。
そうですね。10年くらいやっているので、いろんな場数は踏めたかなと思います。
イチオシのゲームは『スプラトゥーン』！今後は専門性を高めて自由に働ければ
ーーご趣味についてもお伺いさせてください。
仕事と被りますが、休みの日はゲームをして過ごすことが多いです。あとはお酒も好きなのでよく飲み歩きもしています。
ーーお酒は何がお好きですか？
最近はウイスキーや焼酎が好きですね。外に行ったときはオールドパーをよく飲みます。山崎や白州などジャパニーズウイスキーも好きです。
ーーなるほど。「これはすごい」と思ったゲームも教えてください。
『スプラトゥーン』ですね。
ーー人気のタイトルですね。どのあたりにすごさを感じますか？
『スプラトゥーン2』から現在は『スプラトゥーン3』を遊んでいますが、ゲーム性がとにかくすごいです。対戦シューター系でライト層に刺さるような、打ち合い以外の陣取り要素が上手く盛り込まれているのは本当にすごいと思います。RPGはストーリーがあり終わってしまいますが、『スプラトゥーン』はずっと遊んでしまいます（笑）。
ーーゲーム会社にお勤めの方から見てもすごいんですね。
あれくらいヒットするゲームが作れたら、と思います。やっぱりオンラインのゲームは人が集まるものが良いですね。
ーー直近でお仕事をする上での目標はありますか？
今のプロジェクトは運用で安定しているので、今後は新しいプロジェクトの立ち上げや設計から携わりたいです。
ーー長期での目標は何かありますか？
新卒からずっと1つの会社でやってきたので、外の会社や仕事を見てみたい気持ちはあります。まだ決まっていませんが、フリーランスなど自由な働き方をしている方も多いので、経験してみたいです。
ーー現在副業は募集していますか？
承認制ですが副業OKな会社なので、本業をやりつつ並行してやれる仕事であればやりたいです。
ーーエンジニアとしての理想像もお聞かせください。
最終的には専門性が高く、どこでも、ずっとやっていけるようなスキルを身に着けられればと思います。仕事以外だと海外に住みながら仕事をしたいという思いもあります。場所や時間を選ばずに働けるようになりたいですね。
ーーどこの国が良いか目星はついているのでしょうか？
シンガポールとかアメリカの西海岸が良いと思っています。ワーケーション的な、暖かく住みやすいところで働きたいです。