企業インタビュー
on 2020.06.29

【インタビュー】各企業の採用担当者が語るエンジニア採用の実情 vol.1 × レイド株式会社 蒲原 直樹 - 後編

【インタビュー】各企業の採用担当者が語るエンジニア採用の実情 vol.1 × レイド株式会社 蒲原 直樹 - 後編


――ここまでは比較的会社情報を確認するようなお話でしたが、もう少し採用観点の話に入っていきたいと思います。
まずは、正社員エンジニアと業務委託エンジニアに求めるものの違いです。日本企業は正社員志向が強いと感じますが、その根拠がはっきりある企業もあれば、質問しても明確な答えが返ってこない企業も少なくないと思っています。

求職中のエンジニアもこういった点が気になるのではないでしょうか。

それにより職場に合う/合わないや、志向性にも関わると思うのですが、御社はいかがでしょうか?

蒲原:基本的に雇用形態で人の扱いや関わり方を変えるということはなく、ただ専門領域や求めているスキルを持っている方で、すぐに来て頂ける業務委託の方にお願いしているケースが多いです。

一番大事にしているのはチームワーク・コミュニケーション。たとえばクライアントワークではコンサルからデザイナー、フロント・バックやプロダクトマネージャーなど関わる人が多くなるので、多くのメンバーと上手くコミュニケーションを取ってプロジェクトを進めていけるかという点は、業務委託の人にも求めています。

正社員の場合は、事業や会社の成長にコミットしてもらうことを求めています。今ですと、会社文化を一緒に作っていける人を求めているので、スキル面は若干目をつぶってポテンシャルで採用するケースもあります。

――業務委託だとポテンシャル採用は基本的にはしないで、即戦力性を強く求めると思います。正社員でも新卒はまだしも中途だと結構即戦力性を求める傾向は強い気もしますが、御社はポテンシャル採用は結構していますか?

蒲原:していますね。スキル面以外ですと、こういった面を重視しています。

――ポテンシャル採用といっても最低限のスキルや経験があると思うのですが、いかがでしょうか?

蒲原:ポジションによっても違うのですが、今採用しているアプリエンジニアの場合ですと、規模感は問いませんがご自身でプロダクトを作れるくらいの経験は欲しいです。

――それは、自分で一から作ったアプリをAppStoreにアップするところまでやったことがある、というイメージでしょうか?

蒲原:そうですね。

――エンジニアの採用をどういう体制でやられていますか?

蒲原:まずエンジニアの採用フローについては、書類選考→1次面接→2次面接が通常フローです。母集団形成と日程調整などのディレクションは私一人でやっていて、面談・面接については現場のエンジニア2名と役員2名で対応しています。1次面接は現場エンジニア、2次は社長か基本で他の取締役の時もあります。
社長が元エンジニアなので、出るケースが多いです。

――社長がエンジニア出身だと、エンジニアの価値が分かるという点で良いですね。

蒲原:取締役にも1名、元エンジニアがおり、エンジニアへの理解があるという点は弊社の大きな魅力ではないかと考えています。

――比較的珍しいケースですね。役員に2人もエンジニア出身者がいるのは。

蒲原:カジュアル面談を最初にするときは私と現場エンジニアで対応します。あくまで面談なので、その後に書類選考になります。

――業務委託の場合はどうですか?

蒲原:エンジニア出身の役員と現場エンジニアで1回のみです。

――ここ数年、私の方にも多くの企業からエンジニアが不足しているとお声がけを頂いていますが、昨今のエンジニア市場をどう見て、感じていますか?

蒲原:一部のスタートアップを除き、一定の年収相場が決まってきたように感じています。

――最近聞いた話なのですが、自社サービスもやっているITベンチャー系企業と比較すると、いわゆる業務系の1次・2次請けクラスのSIerの方が社員年収は比較的高めのようです。自社サービス側に行きたい人は結構おられるんですが、年収レンジ的にアンマッチになるケースが多いとのことでした。御社に応募されてきた人で「このスキルでこの年収希望しているんだ」という人はいらっしゃったことありますか?

蒲原:ありますね。そういうケースはあります。

――転職媒体での応募/反応はいかがですか?

蒲原:転職媒体での応募/反応は極めて低くなった感じを受けます。

――それに対してどういった分析をされていますか?

蒲原:求職者にとって転職する際の手段が増えているし、各社採用広報を頑張っているので直接応募が増えているようです。情報を色々なところで得ることができるようになったし、企業からも声がかかるようになり、媒体に拠らなくなってきた。

また私もオンライン学習程度のエンジニア知識ですが、このレベルでも以前登録していたアカウントにスカウトメールが届くので、よっぽど売り手市場なんだろうと感じています。

――エンジニア採用にあたって利用しているツールや手段はどんなものがありますか?

蒲原:ダイレクトリクルーティングでは、Wantedly、Findy、Green。人材紹介では、ギークリー、ワークポート、notari(tech clips)を使っています。
今はFindy経由で会う方が増えています。単なる転職媒体ではなく、Githubで偏差値を出したり適正年収が見えたりと面白いので最近登録者が増えているようです。

――業務委託は結構な数がいらっしゃいますが、どうされていますか?

蒲原:募集するときは媒体とエージェントを使います。ギークスやグラヴィーからのご紹介が多い印象です。

――採用観点で重要視している(外せない)要素は何でしょうか?

蒲原:正社員という意味では、まずは協調性です。クライアントをはじめ、コンサル・ディレクター・デザイナー・他エンジニアなど関係者が多いため、チーム開発の適性が必要です。次に成長意欲。こちらが高ければポテンシャル採用もありえます。自分で調べたり、学び、成長しようとしている方を求めています。

――成長意欲をどのように測っていますか?

蒲原:例えばですが、プライベートでプロダクトを作っていたり、勉強会に参加している、コードを書いている、など実際に行動している点で判断しています。

――協調性はどのように見られますか?

蒲原:チーム開発経験があるかを重視しています。その他、過去にどんな困難があり乗り越えたかや、ネガティブな発言が多くないかで確かめています。

――逆に、チーム開発経験が無い人で採用した実績はありますか?

蒲原:今まさに最終面接をしている人がいます。その人は現職がエンジニアではないのですが、アプリ開発や書籍を出した経験があったり、Twitterでコミュニティが広がったりしたエピソードなどから、プロジェクトを進める知識・コミュニケーション力はありそうだと判断しました。

――失敗した事例を教えて頂けますか? こういう人材は採用を控えたいというような。

蒲原:「これは私の仕事ではない」と、自身で職域を決めてしまう方は合いませんでした。同じプロダクトの話題なのに、自分の担当ではないと会話に参加しない、意見を言わない方は、チーム開発という点では協調性に欠けると感じました。プロダクトも組織も同じで「会社でこうしていきましょう」となったときにも、「自分は興味がないからやらない」という方も合わないなと感じています。

――ビジネス志向の人、会組織を良くしたい人、単純に技術が好きで一番のモチベーションな人もいると思うんですが、そんな方たちは上手くやれていますか?

蒲原:もちろん技術志向で上手くやれている方もいますが、やはりそういう方もご自身でのアクションが少ない/苦手なだけで、根底では「組織・プロジェクトを良くしたい、良くあって欲しい」という思いを持っていらっしゃるように感じています。

――今までご自身が携わった採用活動の中で採用可否問わず印象に残っている人はどんな人でしょうか?

蒲原:採用に至らなかったのですが、大手ベンチャー企業で新規事業開発などを行なっていたビジネス志向のエンジニアの方ですね。「天才肌の変人で、ビジネスに没頭して1週間家にも帰らない、風呂にも入らないような経営者と働きたい」と言っておられたのが印象的でした。働き甲斐やキャリアアップではなく、思いをぶち込めるかという視点でご転職活動をされている方は、なかなか見ないですね。

――この方はどうして採用されなかったのでしょうか?

蒲原:とても魅力を感じる方だったのですが、弊社の環境が今そういったフェーズではないため率直に話し、お互い見送る形になりました。

――「こんなエンジニアに是非会ってみたい!」人はどんな人ですか?

蒲原:直近では、Androidアプリ開発経験のあるエンジニアにお会いしたいです。昨年FinTech事業を立ち上げたので、事業立ち上げやグロースに関心のある方はとても嬉しいです。今はクライアントワークが主ですが、部署としては自分たちのプロダクトを作っていく方針なので、そこに一緒に携わっていきたいというエンジニアに来てほしいです。

――最後に、自社アピールをお願いします!

蒲原:弊社にはエンジニアをはじめ、デザイナーやディレクター、PMやコンサルタントなど各分野のプロフェッショナルが所属しており、またナショナルクライアントを中心としたクライアントワークから自社プロダクトの開発まで多様な開発環境があるので、キャリアパスとしてもご期待に添える環境です!

――蒲原さん、本日はありがとうございました。

2020年3月18日 ホテルアナザーにて