エンジニアが市場価値を上げていくためには?
E3代表大津がこの10年超のITエンジニア市場を振り返りながら、市場価値を高めていくポイントを探っていくコラム vol.1-後編
◆ソーシャルゲームブームの到来とスマホ登場
ここからスマホ登場までの間に、ガラケーによるソシャゲーやSNSブームが起こり、DeNA/GREE/サイバーエージェントなどの案件が出始めます。
だったかと。
その頃から、今のレバテック(当時はレバレジーズ)が道玄坂にサイバー系を中心としてガツガツやり始め、段々と同様のプレイヤー(フリーランス系エージェント)が毎年のように登場してきました。
当時、レバレジーズから案件もらったり、案件紹介したりし合っていました(苦笑)。
今ではあり得ない構図です。
その後スマホの登場とともに、一気にSIer系(主に業務系と言われるものが多い)とWeb系の括りが分けられ、色々と体質が古い前者に比べて後者は積極的にフリーランスエンジニアを活用するようになり、「フリーランスエンジニア」の認知度が一気に高まった感があります。2007年当時と比べると格段の差を感じます。
◆SIerビジネスの現状
ただ巷ではこれからは更にWeb系が伸び、SIer系は落ちていくと言われていますが、実際にはそんなことは起きておらず、2019年度のSIer全体の売上は伸びています。
特に業界1位の富士通は近年下がっていますが、いわゆる大手SIerはほぼ上がり続けています。
個人的な考えとしては上記のSIerの顧客は主に大手企業が多く、オリンピック前の好景気(?)に乗っている感は否めず伸びは鈍化傾向にあり、顧客はIT人材の内製化を進めている(正直まだまだで、ひと昔前に比べたらというレベルですが)ため、SIer求人の需要は下がると思っています。
また、上記のような大手SIerの下にぶら下がっているような中堅規模のSIerは、何らか専門分野であったり、顧客が喜ぶような最新技術トレンドを抑えていたりしないとただの開発会社にしかならないため、コストの安いベトナムなどに競争力で勝てないと思われます。
そう考えると、最近は何らか専門性のある「小型SIer型」企業が、大手SIerもコスパ的に競合になりにくく、内製もできない企業と上手くビジネスができているのは納得がいきます。
自分のサービスを作って売っていくことももちろん面白いことですが、専門性ある仲間を増やし上記のような組織を作っていくのも面白いと思います。
Vol.2へ続く