コラム
on 2021.03.05

「コロナ禍で働き方・採用フローにリモートの選択肢が増えてきた」E3代表大津より

「コロナ禍で働き方・採用フローにリモートの選択肢が増えてきた」E3代表大津より

E3代表・大津が、E3についての思いや採用市場の動向などについて語ります。新型コロナウイルスの影響で変化した、エンジニア採用やリモートワーク。最近体験した歯の手術によって、いつでもつながれるリモートワークの功罪にも気づきました。

ライター:岡田星羅/聞き手・編集:平田提

広がるリモートワークの可能性。採用企業とエンジニアの変化

――コロナ禍の二度にわたる緊急事態宣言で、企業側に何か変化はありましたか?

大津:一度目の緊急事態宣言でリモートワークになった会社は、今も変わらずリモートを続けていることが多いです。一方で大手・中小問わず、もともと出社前提の会社はリモートじゃなくなっている場合もありますね。二度目の緊急事態宣言は、一度目と比べるインパクトは少なく、変化は少ないように感じます。

――なるほど。エンジニア側のマインドの変化はあったのでしょうか?

大津:求職者であるエンジニアは「リモートで働けるか」など働き方に重点を置く人が増えた印象です。その風潮を受けてか、会社員・フリーランスの違いにかかわらず、リモートワークを許容する企業は増えてきていますね。ただ企業側の採用目線から考えると、いざという時にも対面コミュニケーションが取れない遠方フルリモートを希望する方の採用優先度は高くない傾向があると思います。

――地方在住の方をフルリモートで採用することは難しいのでしょうか?

大津:そうですね。ただ企業の採用競争力を高めていくためには、地方在住の優秀な方をフルリモートで採用する採用スタイルの変化が求められていくと思っています。地方にいながら、東京の会社に正社員としてジョインするケースは増やしていけたらいいなと。「場所が遠いから」「どこにいるか分からないから」といった理由で採用を見送るのはなんだかもったいないなと感じます。

――ロケーションは関係なく、魅力的な人と企業がマッチングできるといいですね。

大津:遠隔地の採用では、エンジニア自身のスキルはもちろん大切なのですが、「企業が重視しているポイントはどこなのか?」という観点を応募者側がより強く意識することが重要になります。遠隔の面談では対面で顔を合わせられない分、熱量が伝わりにくいこともあると思います。そのため、「企業がエンジニアに求めていること」を見極めながら、スキル部分だけではなく適格な受け答えが必要だと思います。

リモートを取り入れたハイブリッドな採用フローを当たり前に


――採用前の面談からフルリモートで行われるケースも増えているんでしょうか。

大津:通常の業務もリモートでやっている企業は リモートで面接もすることが多いですね。「最終面接だけはCEOと対面で行う」というフローの会社もあります。

――対面だからこそ伝わることもありますよね……!

大津:たしかに対面の方が、雰囲気や人柄を見極めやすいというのはあると思います。そこは企業が応募者をどうフィルターするかによりますね。コロナ前からエンジニアにはコードテストを課されることが多いので、スキルのミスマッチは以前よりは起こりにくくなってきました。面接はあくまで、経歴の確認と人物面の見極めなんですよね。だからか、オンライン面接で採用したからスキル的にダメだったというケースはあまり聞かないですね。わたし個人の感覚値ですが。

――コロナ禍で、求人票の内容や働き方など大きく変わったことはありましたか?

大津:私が関わっている範囲では、業務や職務の内容はほぼ変わりません。一方で、リモート/出社などの働き方や仕事の進め方などを具体的に求人票に明記する傾向が強まっています。「リモートで働けるのか」「出社するのか」があやふやだと、求職者も応募しにくいからです。働き方についてはっきり書かれていると、求職者も安心して応募できますよね。

――コロナが収束した後のことも考えると「永続的にフルリモートって言い切ってしまっていいのか?」の問題もありそうですね。

大津:そうですね、このご時世1年後のことなんか誰にも分からないので、私から企業側に「フルリモートって書いちゃって大丈夫ですか」と念のために聞くこともあります。そこで「大丈夫です」と回答された場合は、信じてそのまま書きますが。フルリモートを希望するエンジニアと企業をつなぐ場合は、企業側にフルリモートの可否を念入りに確認するようにしています。
3カ月に1回や半期に1回、全社総会をするような企業は、その時くらいは十分なケアをした上で集まろうよという傾向があるため、必要に応じて出社できるエンジニアのニーズが多い印象です。「どうしても来られない人はオンラインで」とはなっていますが、もし同じレベルの候補者がいる場合は、フルリモートの人の優先度は下がると思います。

――エンジニア側の企業への要望は変化していますか?

大津:フルリモートを要望する人はやはり増えていますね。全日出社ではなく週1・2から出社したい人もけっこういるなーという印象です。いまは都心に出たくないけど、リモートでも出社でもバランスよく働ける会社が注目されています。ハイブリットな働き方が選べるのが良いですよね。


いつでもつながれるリモートワークの功罪。コロナ禍による働き方の変化


――ちなみに、大津さんは最近歯痛で手術したと伺いました。もう快復されたんでしょうか?

大津:そうなんです。もうだいぶ良くなったんですが歯痛が酷かったため歯の神経を取ったのですが、そこからばい菌が入り、膿が溜まって手術をしたんです。

――手術を通して、仕事面で何か感じられたことはありましたか?

大津:入院していてもスマホやPCである程度仕事ができてしまうことですね。性格上返信してしまうため、連絡がとれると思うと取引先や関わる人たちが気は遣いつつも連絡はしてきてしまうんですよね。そうすると私自身も働いてしまうというか。

――そうだったんですね。「面会謝絶」のような機能がSlackにもあればいいのに……。

大津:今回病気になってみて「自分はいつ休むんだろう」って思いました。いつでもどこでもつながれてしまうリモートワークの功罪ですね。3年前だったらリモートなんてできなくて、やるとしてもメール対応ぐらいだったのが……今後の仕事のやり方を見つめ直すきっかけにもなりました。

――コロナ禍になってリモートで働ける基盤が整ってきたからこその悩みですね。エンジニア目線で見るとその点はどうなんでしょうか?

大津:リモートワークになり、オフィスで周りの社員と雑談をする機会がなくなる。それが良いと感じる人・悪いと感じる人は分かれるんじゃないでしょうか。自分の周りのエンジニアは、そこはあまり気にすることなく仕事以外の勉強をするなど、割とのびのび働いている印象です。ゆとりある稼働の仕方ができていて、ポジティブにいうと使える時間が多いということだと思います。Clubhouseをつけっぱなしの人もいたり。もちろん、性格の違いはあると思いますが。

――通知に振り回されたりついついSlack見ちゃったりするかどうかも、きっと性格が関係しますね。

大津:歯痛の件で思ったんですが、オンラインで仕事が完結できると仕事をどんどん積み上げてしまうので、受ける業務の総量は考えたほうが良いですよね。「仕事を断るのがもったいない」「食っていけないのでやらないと」ってなってしまうけど「やらなくちゃいけない」のボリュームを下げるイメージは大切になりそうです。

穏やかに仕事するために、良い仕組みをつくっていきたい


――最近売れている『人新世の資本論』や『ステイ・スモール』といった本でも「売上上限を決める」「脱成長」が勧められていますね。

大津:E3の会社としても「とにかく大きくしていこう!」という方向に舵を切るよりも「ビジョンを体現しつつも事業継続できるレベルで、心身ともに穏やかな状態でやっていく」方が良いと思っています。創業以来、コミュニティの参加者の数や企業への紹介数を目標にしていくとどうしても自分の時間がとられていくので、それはやめるようにしています。人と企業のマッチングの部分ってほぼ終わりのないところなので延々と続いてしまうので。企業にとっても、エンジニアにとっても、良い仕組みで回るようにしたいです。事業規模や売上は維持しながらより効率化して工数を少なくし、その分質の向上を目指しながらやっていければ良いかなと思っています。

――ありがとうございました!