コラム
on 2021.09.06

ライターがエンジニアに紹介したい、文章を書くステップ&おすすめ5冊

ライターがエンジニアに紹介したい、文章を書くステップ&おすすめ5冊

E3コミュニティメンバーのみなさん、こんにちは。

仕事上の文書作成や、「Qiita」での情報発信など「最近文章を書く機会が増えた」エンジニアの方は多いのではないでしょうか。

人に伝わる文章を書くのは難しいもの。現在ライターとして活動中の筆者ですが、以前は文を書くのに苦手意識がありました。言いたいことが多すぎて長文になることもしばしば……。しかし基本的な文章構成の考え方・執筆手順をインストールしたところ、文章をまとめるのが格段に速くなりました。

今回は伝わる文章を書くステップを解説しながら、『新しい文章力の教室』など文章力アップに役立つ本を紹介していきます。役立つ情報を発信されたいエンジニアのみなさんに、少しでも参考になれば幸いです。

ライター:平田提(株式会社TOGL)

元ナタリー編集長の『新しい文章力の教室』1冊で文章力が身につく

編集者として私が新しいライターの方にレクチャーする際に必ず「教科書」として紹介しているのが1冊目の『 新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング 』(唐木元/インプレス)。これ1冊で文章の書き方がしっかり身につきます。

著者の唐木元(からきげん)さんは、ニュースサイト「ナタリー」の初代編集長。月数千本の記事を今もアップし続けるナタリーで、唐木さんが新人ライターに教えてきたノウハウが『新しい文章力の教室』には凝縮されています。

と唐木さんは定義し、文章を書く手順を紹介していきます。

以下は『新しい文章力の教室』に、ほかの書籍や私の知見を入れて構成しています。

とにかく大事なのは「いきなり書き始めない」こと。文章の「パーツ」となる「骨子」と、「テーマ」となる「主眼」を用意します。

など確かなソースから「取材」した情報をバーッと箇条書きで書いていきます。

※ちなみに私がインタビューする際は、会話をしながら同時にキーボードをダーッと叩くようにしています。これは『ウェブはバカと暇人のもの 』などのライター・中川淳一郎さんを参考にした方法ですが、録音データから文字起こしをするより速く原稿が仕上がるのでおすすめです。


骨子がそろったら、次は主眼です。「主眼=テーマ」とも言い換えられます。

筆者個人の経験では、ビジネスに関わるWeb文章は「表テーマ」「裏テーマ」をはっきりさせるとうまくいきます。

このあたりはブックライター・上阪徹さんの『 超スピード文章術 』(2冊目)が参考になります。

主眼はWeb記事でいうと、タイトル(title/h1タグ)にも影響するもの。検索ボリュームや、SNSで記事を見たときにキャッチーか、などの視点もWebで公開する文章には重要です。

主眼に沿って、骨子に「重み」「軽み」をつけていきます。「重い」情報は手厚く(文字数多め)にする。「軽い」情報は最後に添える程度にするか、必要なければ大胆に削除する。主眼に沿った情報を絞れば絞るほど、文章は読みやすくなります。

あとは骨子を伝わりやすい順番に並べていきます。

これは小論文・説明文などの書き方でもよく出てくる「PREP法」が参考になります。

これがすべてではないですが、PREP法は伝わりやすい文章を書く定番のメソッドです。

ちなみに以上の骨子・主眼をまとめる過程は紙にペンで書き出してみるのがおすすめです。どうしてもキーボードで打つと文章をいきなり書き始めてしまいがち。「設計図」をまず描いてから取り組むと、結果的に速く文章が書き終えられます。

書く前に、意見をはっきりさせよう

『ほぼ日刊イトイ新聞』で「大人の小論文教室。」を連載されていた、山田ズーニーさんの名著『 伝わる・揺さぶる!文章を書く 』(3冊目)がPREP法については参考になるでしょう。

山田ズーニーさんはベネッセコーポレーションで小論文教材の企画・開発に携わっていた経験から、「機能する文章」を書く方法を突き詰めておられます。

細かい文章のテクニックはもちろん重要なのですが、ズーニーさんは「なぜ伝えるのか、伝わるのか(伝わらないのか)」が特に文章において肝要と考えています(4冊目『 あなたのはなしはなぜ「通じない」のか』 )。「なぜ伝えるのか」は書き手の「意見」と動機・目的であり、それにはその人の価値観である「根本思想」が影響します。

ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」タウンワーク「バイトするなら、タウンワーク」などのコピーライター・梅田悟司さんは「伝わる言葉を書くには、まず意見を育てる必要がある」と語ります(5冊目『 「言葉にできる」は武器になる 』)。

さいごに

私が90年代にインターネットの文化に出会って感動したのは、無料でとにかく有用な情報が溢れていたこと。私がE3のメンバーのみなさんにインタビューをさせていただいて感じるのは、とにかく奉仕精神の強いエンジニアの方が多いことです。エンジニアのみなさんのそういった奉仕精神が、ネット文化の面白さのベースにはあるでしょう。

すでに良い書き方を身に着けておられるエンジニアの方も多いと思いますが、今回の記事が少しでもみなさんの参考になり、面白い記事がまたネット上に増えることを楽しみにしています。